No133 九 州 編(佐伯市駅前〜臼杵市海添駅前)

休養日明けの朝は晴れで、日中は気温30℃近くまで上がる予報。
今日は津久見市のJR日豊本線津久見駅前まで約21kmの旅。
佐伯市観光マップによると、津久見への道は、海側の国道と山中を行く県道の二つがある。
距離を図ると県道の方が4km程短い。
この魅力が勝って、県道を行くことにする。

JR佐伯駅前から国道217号を少し戻って、番匠川に沿って上流に向かう。
山道の県道では、食事処が見つからないかもしれない。
そう思って途中のコンビニで、昼食用に薄皮あんぱん、カロリーメイトそれに牛乳を買う。
鶴岡町の交差点で、日豊本線を渡って県道に進む。
県道に入ると、早くも気温が上がってきた。
市街地が終わるところにあったコンビニで、さらにポカリスエットを補給する。

山道に入ると、県道を選んだことを後悔する。
県道に沿って、東九州自動車道路の建設が真っ盛りだ。
それで、この建設工事のダンプ車輛等が盛んに行き交う。
県道の大部分は、歩道がなく路肩部も狭い。
疾走する工事車両には、絶えず注意を怠ることができない。

床木ダムのところにある緑地広場で、コンビニで買ったあんぱん等で昼食をとる。
緑地広場と云っても、木々に囲まれてダム湖への眺望もなく、食事と合わせて味気ない昼食タイムとなった。

床木ダムまでに幾つかのトンネルを抜けた。
そこから、さらに二つのトンネルを抜けて津久見市の市街地に入る。
甲子園の高校野球で名高い津久見高校の前を通ってJR津久見駅へ。
暑さ、坂道それに工事車両の三重苦の旅で、駅に着いた時はクタクタだった。
しかしそこは、津久見駅の裏側で自転車の駐輪場になっている。
立体歩道橋があって、上がっていくと表側の駅舎に入る。
駅舎の待合所でしばし休憩する。
駅舎を出ると、誰かの銅像が立つ広場になっている。
津久見は何となく佐伯と同じかそれ以上のまちと思っていた。
それが、佐伯より何倍も小さいまちに見える。
駅近くの観光案内所で、津久見市内の観光パンフをもらう。
それを見ると、今日の宿が載っている。
パンフを見ながら行くと、宿は町中の通りに面してあった。
町屋の一般の民家とかわらない構えで、看板がないと通り過ぎてしまうところ。
引き戸を開けて入ると、内部は旅館らしい造りだ。
女将さんは明るく気持ち良い応対で、直ぐ部屋に案内してくれた。
一番広いイイ部屋で、ここなら疲れもとれそうとホッとする。



津久見からは、予定では一気に大分市内まで行くつもりだった。
昨日の旅で、前日休養した蓄えを使い果たしてしまった。
大分市内までの30kmを超える旅は、シンドク思える。
それに、途中にある臼杵石仏に寄り道したい気もある。

結局、今日は臼杵市のJR臼杵駅前まで約10kmの旅にする。

津久見の宿を出て国道217号を行く。
小さな漁船が並ぶ港の横を通る。
しかし、何か漁港とは違う雰囲気がする。
それはこのまちに入った時から、うっすらと感じていたことでもある。
なんだろうと思いながらT字路の交差点に来て驚く。
緑色の壁面に黄色の看板を付けた平屋の小さな店が、道の突き当りに構えている。
その屋根越しに、巨大なハゲ山が屏風のように立ちはだかっていた。
そうか、ここはセメントのまちなのだ。
みどりの山々を見なれた旅人には、異様な光景だ。
こんなに海の近くで山を削り、岩を砕く作業が続けられている。
何か異様に感じたのは、自然と鉱業の混在がもたらすアンバランス感なのかもしれない。

新臼津トンネルを抜けると、臼杵市域になった。
そしてもうひとつトンネルを抜けた先の交差点から、市道を通ってJR臼杵駅前に向かう。

JR臼杵駅前の宿には、11時30分に着いた。
4階建てのビジネスホテルで、ロビーに荷物を預ける。
そして、急いで臼杵駅前からバスに乗って、臼杵石仏見学に出かける。

臼杵石仏は、平安時代から鎌倉時代にかけて彫られた60余体の磨崖仏だ。
この内59体が、平成7年に国宝に指定された。
中でも古園石仏群の大日如来像が有名だ。

バスから降りて市営駐車場近くで石仏観覧券(530円)を購入する。
入り口から坂道を上がって行くと、古園石仏群が崖に取り付けられた庇の中で鎮座めされていた。
やはり中尊の大日如来像は圧巻だ。
夢中になって、様々な角度から写真に収める。

それから他の石仏群も巡り、近くの満月寺にも寄ってみる。
満月寺境内にある石仏の仁王像もおもしろい。
そうした石仏達も魅力的だけれど、もうひとつ印象深かったものがある。
古園石仏群が見下ろす、山里の風景だ。
仏に見守られた平穏な空気が漂っているかのようだ。
眺めているだけで、身も心も落ち着き、去りがたい風景だった。

再びバスに乗って、臼杵市街に戻る。
住吉橋と云うところで降りて、まちなみを散策することに。
とても見やすい散策マップがあって、それを片手に歩く。
八町大路〜二王座歴史の道〜旧稲葉家下屋敷他〜臼杵城跡と巡る。
八町大路は安土桃山時代から続く歴史ある商店街。
二王座歴史の道は、石垣と石畳の道に寺院や武家屋敷が続く。
旧藩主稲葉家下屋敷他は、拝観料320円で入場し武家の生活を垣間見る。
臼杵城は、かつて大伴宗麟がここが島だった頃に築いたと云う。
今は地続きになっているが、期待した町並みの眺望は得られなかった。
それでも、臼杵の町並み散策は、十分に楽しめた。
市民と行政が、町並みの保存と活用にしっかり力を注いでいるのが感じられる。

石仏と云い、町並みと云い、どれも興味深く楽しめた。
思い切って、臼杵で寄り道して良かった、と満足する一日だった。



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