No149 四 国 編(香川県坂出市本町〜愛媛県四国中央市川之江町)

今日も秋晴れの好天気。
坂出から三豊市詫間町まで21km程の短い旅。
一気に宇多津町を抜け、丸亀市域に入った辺りまで進む。
そこで最初の休憩をして先へ行くと、高台にお城が見えた。
築城400年の名城と云われる丸亀城だ。
三層三重の天守閣は、国の重要文化財になっている。
それでは素通りする訳にはゆかないと寄ってみる。
城跡全体は亀山公園になっている。
近づいて見上げると、高台の天守閣まで上るのはキツソウだ。
大手門をくぐって石垣上のベンチに腰を下ろし、一休みすることに。
松の木陰で涼しく、辺りを鳩の集団が歩き回る。
鳩のオスが声を鳴らして相手を追いかけ、めでたく成就するのを眺めたりする。

亀山公園を出て、賑やかな通りを行くとコンビニがあった。
明日と明後日は30kmを超すロングな旅となる。
できるだけ旅の疲れは蓄積しないよう、今夜は入溶剤を使って疲れをとることに。
コンビニ店内で探すと、丁度良さそうなのがありひとつ買う。

JR予讃線讃岐塩屋駅前を過ぎてしばらく行くと、第77番札所道隆寺の前になった。
「大本山道隆寺」の文字が入った石柱、仁王門、二重塔、本堂等がある大きな寺だ。

門前には、遍路用品を売る店もある。
ここにも、団体、若い女性の二人連れ、一人で、と次々と巡礼者がやって来る。
巡礼団体は、全員が「南無大師遍照金剛」と背中に書いた白衣を着ている。
さらに、「同行二人」の文字が入った、おそろいの白いバッグを肩にかけている。
そして、本堂前で一斉に「般若心経」を唱える。

道隆寺を出る時、ちょうど正午になった。
どこかで昼食にしようと歩いて行くと、少し高台に中国風の多層の塔が見える。
近ずくと、塔を背後にして「SHORINNJIKEMPO」の文字を掲げた大きな建物が構える。
ここが有名な日本の少林寺拳法の本部かと、写真に収める。
そして眼を戻すと、その建物下の道沿いに讃岐うどん店があった。
店に入ると、かやくうどんセット(550円)がおいしそうで、迷わずそれに決める。

昼食休憩して30分程進むと、民家の屋根越しに瀬戸の海が見えてきた。
その眺めを楽しみながら川を渡ると、四国別格第18番霊場海岸寺前になった。
この寺は空海(弘法大師)の生母の出身地だという。
しかし、江戸時代に空海の生まれた地を善通寺と争い負けたそうだ。
そのため、善通寺を中心とする四国八十八ヶ所霊場とは別に、別格を名乗ることになったのかもしれない。
仁王門に収まる像が、実在の相撲取り、琴の海関と大豪関の銅像には驚く。
噂に聞く現在の善通寺の隆盛と比べると、海岸寺の今は淋しい限りだ。
江戸時代の大師出生地争いの勝敗が、二つの寺の行く末を決定づけてしまった。
その想いは、いろいろ考えさせられるものだった。

海岸寺を出ると、道はJR予讃線と並行して海岸沿いを行く。
JR津島ノ宮(臨時)駅というのがあり、駅前の津島神社に寄ってみることに。
臨時駅となっているので、きっと特別な縁日などでは大勢の人で賑わうに違いない。
しかしこの日は、境内には人影はなくひっそりとしている。
境内に社殿はあるけれど、駅から真直ぐに海に向かって道が通っている。
道の先は沖の小島とデッキの様なもので繋がっている。
どうやらその小島に本殿がある様で、特別な日でない今日はデッキの床板は取り除かれている。
どんな由縁があるのか分からないけど、この地が育んだ長い歴史を感じる。
境内にひとり佇み、四国に入ってからの道を振り返ってみる。
今日の道だけでも、丸亀城〜道隆寺〜少林寺拳法本部〜海岸寺〜津島神社と何か濃密な雰囲気が漂う。
「歴史街道」、の言葉が頭の中をよぎった。

JR詫間駅近くの道が、手持ちの道路地図では分かりにくく迷った。
JR詫間駅の前にあるという宿に電話で尋ねながら行く。
少しまわり道になって行くと、そのホテルはまさに駅の真ん前にあった。



次の日も晴れた。
今日は愛媛県入りして四国中央市川之江町まで約31kmの旅。
気合を入れて出発し、荘内半島の根元を一気に横断する。
加嶺峠を越えると下り坂になり、仁尾町(現三豊市)の市街地と海が見えてくる。
仁尾のまちに入って、役場近くで最初の休憩をとる。
仁尾のまちからは、再び海岸縁の道になる。
仁尾町と観音寺市の境で大滝洞門と呼ばれる所になった。
洞門は、海側は柱列の開放された壁になっているトンネルの一種。
大滝洞門は、柱列の外側に浜辺につき出る形でデッキの歩道が附いている。
人影のないその歩道で、海を眺めながら2度目の休憩をとる。
大滝洞門を抜けると、低い山間の道になる。
山間を過ぎて進むと、強い日差しから疲れが出始める。
第69番札所観音寺へ向かう旧道にそれる。
いにしえよりお遍路たちが歩いた、そんな雰囲気の街道だ。
観音寺に着いた時は、昼少し前だった。
境内の木陰のベンチに腰を下ろすと、涼しくてとても気持ちがいい。
いつまでもここに居たい気持ち。
それを振り払って、まずは龍等の見事な彫刻を施した鐘突き堂を写真に収める。
それから、一人熱心に拝むお遍路さんの後ろ姿等を撮って出発。
すると直ぐ隣は、第68番札所神恵院だ。
お遍路さんなら、効率よくお参りできてきっと大喜びに違いない。
巡礼が目的でない私は、そのまま素通りする。
昼過ぎて、どこかで食事をと思っていたらスーパーがある。
しかも、入口の横には涼しそうなベンチまである。
店に入って、ちらし寿司とコロッケ、牛乳を買い、そのベンチに腰を下ろす。

昼食休憩して出発したけど、足が重く30分程進んで休むことに。
ここで、少しの時間まどろむと身体が楽になった。
JR豊浜駅の少し手前で、国道11号に入る。
のどが渇き、冷たい飲み物をとり過ぎたのかお腹が張ってくる。
コンビニが見つかり、トイレに駆け込んでホッとする。
それから順調に進んで、JR箕浦駅の待合室で休憩をとる。
その先で道の駅豊浜があったけれど、大幅に遅れているので先へ急ぐ。
愛媛県川之江市(現四国中央市)に入ってしばらくすると、また急に腹が張る。
トイレのありそうなところを、必死に探すがみつからない。
やっとガソリンスタンドがあって、トイレを借り事無きを得る。

こんなことがあったりして、今日の宿に着いたのは18時だった。
小高い山の上に小さな城のある城山公園に近いビジネスホテルだ。
受付で素泊まり1泊7120円と云われて、思わず訊き返す。
長い旅を続けて、宿の前に立てばおおよその宿泊料金は想像がつく様になった。
地域の特性、建物や設備の状況、宿の格?等で、宿泊料金は見事なくらいに決まっている。
むしろ、その厳格さに商売の厳しさを教えられるぐらいだ。
事前に宿泊料金を訊かなくても、宿を出る時に請求される金額は、大抵納得できるものだ。
それ以上の満足感のある時も多く、申し訳ないと思う程のサービス料金の時もある。
昨日泊ったビジネスホテルは、ここより部屋も広いし設備も上だ。
それに朝食付きで、ここより2割も安いがまずまずの標準料金といったところ。

近くのスーパーへ行って、オムライス、海藻サラダ、缶ビールと朝食用に丸パン1袋、牛乳、ヨーグルトを買う。
入浴剤も探したけれど、家庭用の大パックしかなく諦める。


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