No172 紀 伊 編(海南市日方〜御坊市薗)



今日は海南市から湯浅町まで28kmの旅。
天気予報は雨で、特に昼頃に降ると云う。
それで、昼までにできるだけ先に進む。
そして昼時に雨宿りも兼ねて昼食にしようと思った。

宿からJR海南駅の前を通り、再び国道42号に出る。
国道42号は海沿いをJR紀勢本線と並行する。
JR冷水浦駅の手前で、紀勢本線を乗り越え高台の道になる。
小さなトンネルを幾つか抜けたところで、最初の休憩をとった。
カラオケかなんかの店先の駐車場で、海南港が見渡せた。
雨は降る気配もなく、対岸には遊園地があるのか大観覧車も見える。

下津町(現海南市)に入ると、山は一面ミカン畑になる。
まだ青空が見え、緑の山肌に近づくとミカンは黄色に色づいていた。
それからトンネルをひとつ抜けると、有田市になった。
それで思い出したのが「有田みかん」。
子供の頃からお馴染みで、道理でミカン畑が多い訳と納得。

有田大橋の手前で、有田川沿いに延びる有田市街地の商店通りを行く。
商店街を抜けると国道480号になって、安諦橋北詰に出る。
そこから有田川の河口方向の眺めは、どこかで見た記憶。
そうそう、愛媛県伊予長浜の肱川の河口風景に似ている。

安諦橋を渡り有田川の左岸に出て、再び国道42号を行く。
相変わらず雨雲はなく、有田川越えに見える山々は、やはり全面ミカン畑。
有田川に架かる大きな斜張橋の辺りで、軽食喫茶店を見つけ、ランチ(850円)をとる。

昼食後、この様子だと、雨になる前に宿に着けるかもと道を急ぐ。
有田川と離れて南に向かうと、再びJR紀勢本線と並行する道になる。
湯浅町に入ると、左手の高台にお城が見えた。
今日の宿は国民宿舎「湯浅城」と云う。
もしかして、宿はこの城かもと心がおどる。
そこに着いてみたら、やはりそうだった。
4層5階の天守閣と四隅にやぐらも備える堂々たる城郭。
まさかこんな城に泊れるとは思っていなかった。
訊けばこの城は、宿泊、レストラン、宴会、結婚式場に利用されている。
さらに、大浴場は天然温泉で地元の人の利用も多そうだ。
各地で地元のシンボルとして、沢山の城が建設されている。
私が知る限りでは、こんなに城が有効活用されているのはない。
今夜は、天然温泉に浸かり、殿様気分にも浸ってみることに。



「分不相応は慎むべき」とは、よく云ったもの。
昨夜、お城の天然温泉に浸かり、殿様気分になるまでは良かった。
ところが夕食後、シャックリが出て止まらない。
寝ている時も出て、目覚めることもあった。

それでも、今朝は天守閣に上って湯浅の街を眺望し写真を撮る。
朝、温泉に入ってゆっくりする宿泊客を考えてか、朝食は7時半からだった。
そのため、いつもより出発が30分以上遅れた。
秋晴れの快晴で、玄関でも写真を撮り出発。

宿を出て国道42号を行くと、まもなく紀勢本線と離れ、広川沿いをさかのぼる道になる。
四国から山陽道に出て大阪までは市街地が続き、バックを背負って歩く旅人には何か違和感が。
和歌山県に入り、徐々にそんな違和感も薄れてくる。
そして今日は、「熊野古道を歩かれるんですか」と聞かれる。
ようやく地元の人にも旅人は違和感なく受け入れられる、そんな気持ちに。

途中、「熊野古道⇒」の標識が目に付くようになる。
標識に合わせ、寄り道してみる。
細い道でも舗装されたりして、古道の面影はない。
それでも場所によっては、なんとなく「霊気」の様なのを感じたのは気のせいか。

広川町と由良町の境にあるトンネルを抜けると、下りの道になる。
まもなくJR紀勢本線と並行する道に、またなった。
JR紀伊由良駅近くで食事処を見つけ昼食にする。
カツ丼(650円)を食べたら、これがなかなかな味だった。

シャックリは、途中、水を飲んだり食べている時は止む。
しかし、しばらくするとまた出る。
今日は三つの峠を越え、かなり疲れてくる。
予定よりも進行速度が遅くなる。
それで、休憩時間を切りつめ急ぐ。
そうして、いつの間にか、シャックリは止まっていた。

今日の宿は、御坊市の「紀伊御坊駅」の前にあると云う。
てっきり、JR紀勢本線の駅前と思った。
御坊市に入って宿に電話すると、紀州鉄道の駅前と云う。
急いで手持ちの道路地図で調べる。
「紀州鉄道」は、JR紀勢本線御坊駅を起点にする、総延長2.7kmの日本一短い鉄道とあった。
宿で教わった道順で行くと、確かに「紀伊御坊駅」の前にあった。
まさにかわいい駅で、宿はその駅にくっ付く程のところ。
予想したよりイイ感じのビジネス旅館。
案内された部屋は、バス、トイレ付きの洋室だった。


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