No97 越前・中・後 編(敦賀市杉津〜美浜町松原)

行程を刻んだので、今日は敦賀市のJR敦賀駅前まで約13kmの旅となる。
天気は曇りのち晴れの予報だけれど、気温は10度以下で寒い。

敦賀市杉津のホテルを発って、敦賀街道と呼ばれる国道8号を行く。
しばらく行くと、海がわの集落に向かう旧道があり、そちらの道に進む。
うつくしい白壁の土蔵がある一方で、壁土がむき出しの家屋もある。
壁土はかなりの厚さで、重量感があり味わい深い。
このところゆっくりした行程なので疲れもなく元気だ。
今日も短い旅で余裕があるせいか、集落の間をのんびり歩く。

再び国道に戻って海沿いの道を行くと「金ヶ崎城跡」の標識に出会う。
ここは歴史上名高い数々の合戦が繰り広げられたところ。
なかでも有名なのは、戦国時代(1570年)、織田信長がここで越前の朝倉義景軍と近江の浅井長政軍の挟み撃ちにあう戦である。
今年から始まったNHK大河ドラマ「功名が辻」で、この場面が放映された。
信長の妹で長政の妻でもあるお市の方は、兄に反逆する浅井軍の動きを察知する。
そして、両端を紐で結んだ小豆袋を信長に送る。
小豆袋を手にした信長は、妹の意図を読み取りいち早く京へ逃れて命拾いする。
小豆袋の話は事実か疑問もあるが、もしこの時に信長が命を落としていたら、日本の歴史は大きく異なったに違いない。

「金ヶ崎城跡」の標識はあるものの、道が分かりづらくウロウロする。
ようやくその入り口にあると云う「金崎宮」の神社に辿り着く。
この神社は、南北朝の時代(1337年)に、ここで足利尊氏軍との戦いに敗れ自害した恒良親王と尊良親王を祀っているという。
おりしも「花換祭」の時だけれど、肝心の桜はまだ固い蕾のままだ。
そこからさらに急な坂道を登って、城址の一番高いところに立つ。
そこからは、敦賀湾口から外海に向かってのすばらしい展望がひらける。
今は眼下に火力発電所ができて興ざめだが、湾全体の眺めはナカナカのものだ。
金ヶ崎城は別名「月見館」とも呼ばれたそうだ。
たしかに、この敦賀湾に月明を落としながら昇る満月を想像すると、身震いするほどの美しさ、の様な気がする。
信長や配下の秀吉、家康もここで月を眺めたのだろうか。
眺めたとすれば、どんな想いで。
と、時空を超えた感慨に浸りたいところ、風が強く寒さが邪魔をした。
やむなく金崎宮に引き返し、境内でぶらぶらと過ごす。


それから敦賀市街地に入り気比神宮にも寄ってJR敦賀駅前には12時半過ぎに着く。
駅前の中華料理店で野菜炒めとライスの昼食をとる。
今日の宿は、駅前で1階は土産物店のビジネスホテルで13時15分にチェックインする。
その後、市街地や敦賀港の散策に出かける。
メイン通りには、アニメ「宇宙戦艦ヤマト」にちなんだ銅像が幾つか設置されている。
このアニメ作家松本零児さんはここの出身だそうだ。
毛並みの美しい犬が首筋を伸ばしてスクッと立っている。
これも造り物かと近づいたら、本物で眼が動きびっくり。

荷物の中で用心して持ってきたジャージの上着、折りたたみ傘、疲労回復塗り薬、腰のサポーター等を宅急便で自宅に送る。



敦賀駅前のホテルは素泊まりの宿。
翌朝、駅の売店で立ち食いそばでもと出かけたが、早朝でまだ閉まっていた。
その他に喫茶店なども当たってみたが、どこも開店してない。
それでホテルを発って、まちの中心部の交差点にあるコンビニでおにぎり弁当を買う。
この交差点の一隅が噴水のある広場になっている。
広場のベンチに腰を下ろして、朝の交通ラッシュを眺めながらおにぎりをほおばる。

今朝は曇りで寒く、ジャケットの上に雨具の上着を重ねる。
午前9時過ぎ頃から気温が上がりその雨具を脱ぐ。
今日も体調は良く、のんびりと敦賀の農村風景を眺めながら歩く。
今年初めてカエルの声を聞く。
しかし、それは束の間で、国道27号は新しいバイパス道路の様で殺風景だ。
そのうえさらに長い(約1700m)旗護山トンネルに入る。
トンネルを抜けると、国道27号標示の道が3本に別れどの道を行くべきか迷う。
手持ちの道路地図では真直ぐなので、道なりに行く。
ところが、こちらは地図にない新しいバイパス道路の方だった。
不安な気持ちで行くと別の国道27号に合流したのでホッとする。
坂尻海岸のところで、缶コーヒーを買って休む。

美浜町の市街地で昼時になり、河原市交差点近くの食堂でかやくうどん定食を食べる。
そこから30分程で、JR美浜駅前を過ぎて直ぐのところに今日の宿を見つけた。
まだ13時30分頃で、思いのほか早かった。
この宿は、2階建てのまだ新しいビジネスホテルだ。
チェックインは15時だけれど、特別に部屋へ案内してくれた。
シングルルームは満室でツインの部屋に通してくれた。
今日はなんだか呆気ない旅で、写真心もほとんど起きなかったと気付く。
仕方なく、部屋の鏡に向かって自身のポートレートをパチリ。

ホテルにコインランドリーがあり洗濯する。
洗濯400円、乾燥10分100円×2で、一人分のわずかな洗濯代としてはチト高すぎた。



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