歩いて旅をしていると、宿はつくづく「オアシス」だと思う。 宿に着いて、部屋に荷物を下しホッとする一瞬がとくにそうだ。 そんな時、海沿いの宿では窓辺の風景に吸い寄せられることが多い。 夕日と共に刻々と変化する海辺の風景は、いつまでも見飽きることがない。 ときには、言葉にできないほどの夢のような光景に出合うこともある。 旅人はそんな風景に融け込んで、深い「旅情」に浸ってゆく。