歩いて日本一周する旅は、自分がどれだけできるか試す意味もあったが、決して苦行や試練を求めたものではない。
かと言って、観光旅行でもない。
戦後60年の節目の年における日本の実情と自己を見つめてみようという旅だった。
それで、宿は一般のビジネス客が泊まるクラスのものを原則にした。
その原則通りには必ずしもは行かなかったことは前章で述べた。
結果として、この旅での宿泊料金は、下の「全宿泊料金集計表」のとおりとなった。
ただし、この旅行では夕食時に、大抵はビールかお酒の晩酌(概ね500円前後)を付ける贅沢?な旅を
したけれど、その料金は除いてある。
もう少し詳しく、泊まった宿と宿泊料金の関係を見てみる。
宿泊料金ごとの宿の軒数をグラフ(ヒストグラム)にすると次の「宿泊料金軒数分布」になる。
グラフからは、6,000円から6,500円あたりをトップとするなだらかな山形の分布になっていることが分かる。
またこの中に、15900円という飛び抜けた料金が一軒ある。
これは、大雨による土砂崩れで道路が交通止めとなり、その日の道中で唯一の宿だった観光旅館に宿泊せざるを得なかったものである。
しかしこのお陰で、滅多に泊ることのない純和風観光旅館の体験ができた。
このようなハプニングがたびたび起きて、思ってもみなかった多種多様な宿に宿泊することになった。
また、このヒストグラムに自然現象や社会現象の
分布状況を理論的に表すという正規分布を重ねてみた。それが下のグラフ「宿泊料金の正規分布」である。
このグラフから、宿泊料金軒数分布の形は、正規分布の形にかなり近いといえる。
このことは、日本の宿全体からみて、やや安めの宿に偏っているがいろんな宿に満遍なく宿泊したといえるのではないかと思う。
次に宿の種類による宿泊料金の違いを見てみる。条件を、どの宿も朝・夕2食付きの宿泊料金で比較した。
観光地やリゾート地にあるユースホステル以外の宿では、夕食にさまざまな特別料理コースが用意されていた。
しかしこの旅ではどの宿でも、その宿の標準料理コースにしたのでその宿泊料金となっている。
次回に、こうした宿泊料金からみた各宿泊施設の特徴等をお話しする。