前章の空と海と夕日が織りなすドラスチックな風景は、言葉にできない、いや言葉にする必要もないものだ。 一方で、見知らぬまちの生活感が漂ってくるような眺めも、おおいに旅情を醸し出してくれる。 こんな窓辺では、ジェリー藤尾が唄った
知らない街を 歩いてみたい どこか遠くへ 行ってみたい 知らない海を ながめていたい どこか遠くへ 行きたい 遠い街 遠い海 夢はるか 一人旅
が独りでに口から流れてくる。