旅をしていて、もっとも大きな楽しみの一つは宿の食事である。
宿が都会にあると、最近ではお仕着せの宿の食事を嫌って、外のレストランの料理やコンビニの
弁当を選ぶ人も多くなった。しかし、そんな店もない地方では、朝夕の食事は宿でとることになる。
そして何といっても、食事の良し悪しは宿の評価を決定づける。
それだけに宿の方も、食事に惜しみない工夫と労力をそそぐことになる。
時には宿のご主人や女将さんと会話を楽しみながらの食事となることもある。
旅人にとって、そうした会話と地元の食材を使ってその宿の味付けがなされた料理は、
その土地の風土や歴史を感じさせてくれる大切な場でもある。
では、どのような食事が提供され宿の種類によってどんな特徴があるか以下にまとめてみる。
旅館は、日本の宿の主流でありもっとも古い歴史がある。 またその多くは、個人経営でご夫婦もしくは女将さんが中心 になって運営されている。食事をとる場所は、大抵は食堂ないしは別室であるが個室に配膳される宿もまだある。 この旅では、個室での食事サービスは3割ぐらいあった。 左記の写真は、個室に配膳された夕食と朝食である。 明治から続くというこの旅館は、古い建物を上手に活かしながらこうした伝統も大切にされている。 この料理から、そんな宿を切り盛りする女将さんの心配りが感じられないだろうか。
民宿は、宿泊客が季節的に偏るリゾート地に多くある。 したがって一年中営業している宿は少ない。通年営業の民宿は、一般の旅館との違いはほとんど感じられない。 強いて言えば、温泉や新鮮な海鮮料理等を売りにしているところが多いのが特徴である。 写真のような新鮮な海鮮料理は、海辺の民宿ならではである。 一人客は断られることが多い中、このように手を抜くこともない食事サービスは感激するばかりである。
ホテルは、宿泊が主で食事は客の選択に任されるのが原則である。 ホテル内のレストランで好みの料理を選んでも良し。 外食でもよいし、近年はコンビニで弁当を買ってきて部屋で食べるも良しである。 地方の小さなホテルでは、2食付き宿泊料金のところが多い。 こうしたホテルは、前章に記載したとおり全体の約3割である。 左記の写真のように、ちょっとしゃれた雰囲気で旅館や民宿とは違った洋風の料理を提供してくれる。