日本一周てくてく紀行

No.136 九州 編(宇佐市川部~福岡県行橋市中央)

宇佐市のかんぽの宿で目覚めると、朝一番に温泉浴場へ行く。
朝食は、竹ザルに載せた色華やかな何品もの料理とデザートが付いた。
この朝食と云い、部屋の設備と云い、かんぽの宿の中でもハイレベルな感じ。

今日は宇佐市から中津市のJR中津駅前まで約22kmの旅。
偶然に3日連続22km程の行程になった。
今日の天気予報は、午前中は雨で昼過ぎから曇りになるという。
それで少しゆっくりしたら、出発は9時10分になってしまった。
宿を出た頃は小雨で、宇佐神宮の本宮があると云う御許山方面にカメラを向ける。

歩きだして1時間ほどで、最初の休憩をとる。
大きな本屋ビルの入口の階段に腰を下ろした。
約15分位して出発しようとすると、雲行きが怪しくなってきた。
様子を見ようとしている間に、大降りの強い雨になった。
再び腰を下ろし、雨粒が跳ねる路面や、入口の柱に置かれた傘等をぼんやり見ながら過ごす。
小1時間近くして小雨になり、ようやく出発する。
しかし、途中でまた強い雨になり、全身ずぶ濡れになる。
国道10号のバイパス交差点の手前で昼時になった。
折よくラーメン店があり、ラーメンといなりずし(420円)の昼食をとる。
昼食の間に身体も乾き、雨も止んだ。

ところが、今度は気温が上がり、高湿度のため汗で身体が再びぐっしょりになる。
雨の中歩いて休憩すると身体が冷えてくる。
晴れると今度は汗で身体が濡れる。
この繰り返しで、風邪をひかなければよいのだが。

強い雨と晴れ間の蒸し暑さの繰り返しで、後半はかなり疲れる。
沿道は市街地が多く歩道が広いので、土砂崩れや交通車両の心配をしないだけ幸いだった。
JR中津駅近くのホテルには、16時少し前に着いた。
ホテルにはコインランドリーがあり、ずぶ濡れになった衣類を洗濯し乾燥までする。
夕方、夕食を兼ねて外出する。
駅の反対側のアーケード商店街へ行ってみる。
人通りが少なく、どの店に入ろうか迷っている内に、ドンドン店が閉められていくのには驚く。
この辺りの一般の店は、午後6時までの様だ。
仕方なく駅のコンビニで、弁当とサラダ、缶ビールを買って、ホテルの部屋で食べる。

次の日は、梅雨の晴れ間となった。
久し振りの天気で、気分がスッキリする。
ホテルを出て振り返った空を見ると、ホテルの屋上に大きな人物像が見える。
ここ中津市は福沢諭吉の出身地、遠くからでもその形から彼の像と分かった。
さらに、JR中津駅にカメラを向ける。
昨日も思ったけれど、中津市の中心駅にしては簡素で、長いプラットホームだけが目立つ。

今日は久し振りに30km近いロングな旅になる。
JR中津駅前からJR日豊本線沿いの地方道を行く。
そこから間もなく山国川を渡ると福岡県吉富町になった。
九州一周のゴールは真近い。
豊前市に入って、三毛門郵便局で旅費の補充と最初の休憩をとる。

天気が良いのはいいけれど、徐々に気温が上がって汗びっしょりになる。
いつの間にか、JR日豊本線沿いの道は国道10号になった。
沿道は昭和の雰囲気を残す街並みで、懐かしい気分に。
休憩間隔が徐々に短くなった頃、JR椎田駅入口で昼時になった。
食事処を見つけ、昼食は野菜炒めライスにする。

午後になると、暑さはさらにきつくなる。
まだ真夏でないので、それ程でもないはずだが。
日射もそんなに強くなく、日焼け止めクリームは塗らないでいた。
それはまずかった様で、腕が少し赤くハレ気味になっている。
休憩間隔は、とうとう30分程になる。

やっとの想いでJR行橋駅前に着いた。
新幹線駅かと見間違えるほど豪華な鉄道駅だ。
まちの規模としてはそんなに違わないのに、JR中津駅とは大違いだ。
ふたつの間の距離は、約30kmしか離れていない。
福岡県と大分県の経済力の違いだろうか。
それはさておき、電話予約で駅の近くと教わった今日の宿を探す。
観光案内所で観光パンフをもらい、それで場所を確認する。

そのホテルは、駅前大通りから細い飲食街の道を進んだ先にあった。
このホテルも宿泊費は朝食込みで夕食はない。
それで夕食も兼ねて、駅周辺を散策する。
ここは駅舎も立派だけれど、商店街も結構活気がある。
どこで夕食をとるか迷ったけれど、結局、居酒屋と食事処を兼ねた店に入る。
先ずは生ビールと枝豆、それから焼うどんにする。
冷えた生ビールはグイグイ身体に入って、もう一杯となった。
明日はいよいよ九州一周の最初の宿泊地「小倉」だ、と思いながら。