日本一周てくてく紀行

No.151 四国 編(西条市小松町~松山市北条)

今朝は曇りの天気。
出発の時、宿の写真を撮るとカメラは電池切れ寸前。
どこか充電できるところがないか探しながら行くことに。
今日も国道11号を行くと、すぐに道は二手に分かれる。
今治方面に向かう国道196号に進む。
国道196号沿いは、なぜかうどん店よりラーメン店が目立つ。
そしてまた、民家のいぶし銀の瓦屋根が目を引く。
なかには、こんな鯱瓦付きの豪華なのもある。
くもりで日射しが弱く歩きやすい。
それでも最初の内は足取りが重く、徐々にピッチが上がって来る。
カメラの充電場所が見つからないまま、道の駅「今治湯ノ浦温泉」に到る。
そこで、やっと一時間以上もかけて充電を終えると、もうお昼の中頃だった。
道の駅の食堂に入って、ラーメン・チャーハンセット(750円)を食べる。

道の駅を出ると、まもなく国道196号は、今治バイパス道路と旧今治街道に分かれる。
旧街道で今治の市街地に入るとお城が見えた。
今治城で、寄ってみることに。
今治城は、1604年、築城の名人と云われた藤堂高虎によって築かれた。
海水を堀に引き込んだ全国的にも珍しい海岸平城だ。
午後は晴れて、お城に着いた時は大汗でグッショリだった。
天守閣に上がると、涼しい風が吹きわたり、今度は身体が冷えてくる。

天守閣からの眺めは素晴らしい。
今治港とそのはるか先に来島海峡大橋がみえる。
今は広島県の尾道から今治まで、島伝いに橋で結ばれた西瀬戸自動車道が開通している。
来島海峡大橋は、その内で最大の三連吊り橋で美しい。
そのむかし、新婚旅行で尾道から水中翼船でこの今治港に着いた。
その時の港やまちの風景は全く想い出せない。
しかしいつだったか、妻がその時のことを話した記憶がよみがえる。

尾道から1時間の船旅で今治港に着き、バスで今治駅へ。
ちょうどお昼で食事の後、駅近くの喫茶店に入った。
コーヒーはサイホンで淹れるというので、妻はメニューをみて「ブルーマウンテン」を奮発。
妻はそのおいしく淹れられたコーヒーに驚いたそうだ。
このことと今治が近代的なまちだったことも意外だったという。
茨城県で生まれ育った妻は、四国はもっとずーと田舎のイメージだったらしい。
それを聴いて名古屋育ちのわたしも、茨城県は東北の田舎だと思っていた、と云ってしまった。
新婚の若い二人は、こんなことからケンカになることも。

今日の宿は、今治城から歩いて20分程の今治市役所に近いところにあった。
ビジネスホテルというよりもシテイホテルの雰囲気だ。
ホテルの食事は朝食だけというので、近くのスーパーへ夕食の買い出しに。
カツ弁当、りんご、ごぼうサラダそれに缶ビールを買う。
途中に農家直売の店があり、ミカン二つ(100円)を買う。

次の日、やっと雨になった。
今日は本当は松山市の中心市街地まで行きたいところ。
しかしそれでは、40kmを超える旅になる。
それで、手前の北条市(現松山市)まで約30kmの旅にする。

ホテルの朝食は、バイキング形式でおいしかった。
出発の時は雨で傘の心配したら、ちゃんとホテルでビニール傘(500円)を売っている。
こうした用意があるのは、お遍路さんたちが泊るからなのか。
雨は小雨で、歩くのには丁度よい天気。
第55番札所南光坊の前を通り、旧今治街道を行く。
最初の休憩は、第54番札所延命寺でとる。
延命寺は、街道から数百メートルばかり入ったところにあった。
参拝して境内で休んでいると、次々といろんな参拝者がやって来る。
お遍路の正装した人から、観光客の様な服装まで様々な人々。
四国八十八ヶ所霊場巡りのお遍路たちは、お大師様を信仰する人から、宗教とは程遠い人まで幅広いようだ。

延命寺を出て旧今治街道を行くと、間もなく国道196号につながる。
さらに行くと、久し振りにJR予讃線と並行する海沿いの道になる。
JR伊予亀岡駅の先で、うどん店をみつけ昼食にする。
この日は、きつねうどんとおにぎり2個にする。

昼食後も相変わらず小雨で、傘をさす面倒はあっても身体は楽だ。
菊間町の沿道にある遍照院という寺を過ぎると、瓦屋の店が続く。
今治市に入って、いやに立派な瓦屋根が多いと思った。
やはりこの地は、瓦の産地だったのだ。
瓦屋の店先に置かれた、縦横1mもあろうかといういぶし銀の鬼瓦にはビックリ。
その迫力に思わずカメラを向ける。
そして、丁度やって来たお遍路さんに、携帯電話のカメラで鬼瓦とのツーショットを撮ってもらう。
この画像を、今日の旅便りに添付することに。

その後も小雨が降り続き、海沿いの道を黙々と歩く。
道が大きく左に曲がり緑の山間に入るかと思った。
すぐに視界がひらけ、道の駅「風早の郷」というのに出会う。
手持ちの道路地図には載ってなく、ちょっと戸惑う。

それもそのはずで、出来たてのホヤホヤといった感じ。
そこで最後の休憩をとって先に進むと、またJR予讃線と並行する道になる。
ところが、北条のまちの手前で国道196号は直角に左折してゆく。
どちらに進むか迷ったが、そのまま直進することに。
それが正解だったようで、今日の宿はその道沿いにあった。
想像してたより大きな旅館で、1階は食事処になっている。

この旅館に、2日前に予約の電話をしたら、満室で断られた。
電話帳で他の宿を探したけれどみつからない。
それで、再度ここに電話して他に旅館がないか尋ねた。
すると、ここの大広間を仕切った部屋でよければ、という条件で予約できた。

旅館に着くと、意外なことにダブルの洋室に案内され、ここを使ってよいと云う。
夕食は、1階の食事処で72歳になるというお遍路と一緒になる。

神奈川県小田原市の男性で、何回かに分けてお遍路を続けていると話してくれた。