朝歩き始めると、昨日まであれほどあった靴擦れや身体の痛みがウソのように消えていた。
天気も快晴で調子に乗って飛ばし過ぎることが心配になるほどだ。
適度に休憩場所を見つけて休む。
しかし道路標識に日本橋の名前が目立ち始めると、はやる気持ちを抑えきれなくなった。
江戸川を渡るとき遥か東京の市街地を望むと、「あー長かった旅も、もうすぐだ」との
想いが込上げてきた。
昔の旅人が江戸に入る時の心境をフト思った。
地名としての日本橋には着いたけれど、道路の基点となる「日本橋」を見つけるのに
迷ってしまった。
見覚えのあるライオンの橋柱が見えたときは、叫びたいほどうれしかった。
自宅に帰る電車の中では、達成できた安堵感と満足感でそれまでの苦労はすっかり消えていった。
万歩計は30490歩。