長い松林を抜けて宿に着き窓辺に立つと、前面に日本海と雄大な佐渡の島陰が飛込んできた。島陰の左の海に夕陽が落ちていこうとしていました。唖然と佇む旅人の背後で、「お客さん、どちらから」と女将さんの声。「茨城県の土浦から」と答えると、「えー、わたし、花火大会見に、明日土浦に行くのよ」と嬉しそうに言う。そうか、土浦の花火大会は結構有名なんだと嬉しく思った。そしてその後、「女将さん達と一緒に車に乗れば、明日は土浦に着くんだ」と思った。土浦を発って１７５日目の旅人の心にも、さざ波が立ってきたのです。