2006/10/21 室戸岬の東と西

(室戸市室津~東洋町生身 33km)

今朝、旅館を出るとき、女将さんに「お世話になりました」と挨拶をしたら、「いいえ、こちらこそ仕事させてもろうてありがとうございました」の挨拶が返ってきた。それは、穏やかな土佐湾の渚の響きに似た心地よさだった。ところが、室戸岬の東海岸に出ると西側と様相が一変した。左側は、急峻な山並みが続き、右側には黒潮の荒波が押し寄せて来ます。先日の教育テレビのお遍路番組で放映されたゴロゴロ海岸が続きます。岸辺に押し寄せる黒潮の満ち引きで、海岸の大きな丸い石がゴロゴロと音を立てるのです。国道が整備される以前のお遍路の苦難に想いをはせながら、夕闇迫る宿に着いたら驚きました。サーフボードを抱いた若者達で喧騒の渦だったのです。普通の民宿と思っていたのですが、すぐ近くの海はサーフィン海岸で、宿もペンション風の造りです。お遍路とサーファー。同じ若者でも、持て余す生命のエネルギーを内に向けるか、外に向けるかでずいぶん違うものだと、暫し唖然と立ちすくんだのでした。