2006/04/13 城の崎にて

(京丹後市久美浜町湊宮~兵庫県豊岡市竹野町 24km)

今日は小雨の中、丁度12時にJR城崎温泉駅前に着きました。待合室で名物「笹寿司弁当」を食べてから温泉街をブラブラ歩いているうちに、中学生の頃読んだ志賀直哉の短編小説「城の崎にて」を思い出した。ここの温泉旅館に泊まった体験話で、桑の葉の揺れ動く様や何気なく投げた石がヤモリかなにかに当たって死んでしまうと云う話を通じて作者の人生に対する深い心情を表現した名作と云うことでした。しかし中学生の私は、そんなことより三週間も温泉旅館に泊まって毎日散策して過すことに、なんて贅沢な暮らしなんだろうと羨ましく思った。いつか自分も、せめて3泊位して好きな本でも読んで過したいと思った。でもそんな少年の夢はいつしか忘れ、還暦を過ぎた今、半年も宿を渡り歩く旅を続けているのです。