牟岐町の旧土佐街道沿いに山頭火の石碑が立っていました。そこは、山頭火が泊まった宿「長尾屋」跡だそうだ。石碑には、山頭火がここに来た昭和14年11月3日の日記文と句が刻まれていた。日記文によれば、夕暮れ時にやっとこの宿にたどり着いた山頭火を、宿の老夫婦が温かくもてなしてくれたそうです。3日振りに湯に浸って旨い食事にありつき相当嬉しかった様です。そして、食事前にわざわざ数町先の酒屋に酒を買いに行ったそうで、「この気持ち、酒飲みでないと分かるまい」と記している。山頭火の旅は、私の旅より遥かに難渋で孤独だったと想像されます。酒飲みで旅人の私は、その時の山頭火さんの気持ちが涙がでるぐらい分かるのです。石碑の句は「しぐれて ぬれて まっかな 柿もろた」でした。