今日の宿は四万十川の川岸で四万十大橋を渡った所にありました。清流四万十川は、思い切り幅広く取った河川敷の中央をゆったりと流れていました。周りの山々は、低く伸びやかな曲線で、周辺全体がおおらかな清謐感があります。そんな風景を眺めていたら、今朝別れたお遍路の笑顔を思い出したのです。昨夜、宿の夕食時に隣の席から話しかけてきた若者がいました。名古屋に住んでいて実家は宇都宮だと云う。31歳で退社して、新規一転の旅だと云う。お互い直ぐ打ち解けて話が弾み、食後も話したい雰囲気だったけど、宿の坊やが彼になついて断念させられてしまった。今朝、旅発つ彼のお遍路姿を撮らせてもらった。遍路笠を被った笑顔は、お地蔵さんの様でした。お遍路の多くは、各々何がしかの悩みを抱いて旅立つ様に思います。そして、その旅で謙虚に自分と向き合えた人は、清々しい笑顔になる様です。