2006/10/04 町屋の宿

(松山市一番町~伊予市灘町 15km)

この旅では、時間をかけて造られたモノの良さや凄さを実感する毎日です。今日の宿もそれで、伊予市の旧い市街地の中の町屋でした。戦前、戦後に隆盛を誇った家で檜等の良材をふんだんに使い、腕のよい大工、左官、建て具師等に存分に腕を奮わせて造られたものです。今はこの家に一人残された年老いた女将さんが生活と家の維持のために旅館に改造したのです。家作や家具は、造りが今もピッシリとしており、ガタピシしません。無造作に置かれた調度品も年代モノばかりです。しかし、今や体力的に無理が利かなくなった女将さんは、この遺産を維持するのに疲れて来たようです。初めて会う旅人に「どうしたものか」とつぶやくのです。