高知を出てから道路標識に［徳島まで〇〇〇km］と書かれた数字を見て、徳島は遥か先とため息をついたものです。ところが、徳島に着くと「いつの間にか着いてしまった」と思うのです。一方、途中で疲れて休憩している時、どんなに知恵を絞ろうが、どんなにわめこうが前に踏み出さない限り１cm足りとも行程は縮まらない事に、嘆いたりします。当たり前の事です。しかし、この当たり前の事を続ける困難さと大切さを、この旅は教えてくれます。休憩で下ろした腰がなかなか上がらない時、私は呪文を唱えて立ち上がるのです。「千里の道も一歩から」と。