昨夜の宿は、当初は岬町の深日と云う所にする予定でした。ところが、そこにある数軒の宿に予約電話したら、日曜日で一人客ではとか言って全部に断られてしまった。それで、4kmも手前の淡輪(たんのわ)で、宿代がちょっと高いけれどやっと予約がとれたのでした。宿に着いたらびっくりです。大阪湾が一望できる高台にある落ち着いた和風旅館でした。案内された部屋からは、関西空港や神戸、淡路島のまちまで遠望出来るのです。日曜日で私一人の客でしたが、風呂は何時でも入れて、暖房や照明も惜しまずつけてくれました。食事もかなりの手料理で、けっして手抜きはしないというサービス振りに感激でした。聞けば、創業103年だそうです。ちょっと高いと思った宿代ですが、これでは申し訳ないと思ったほどでした。今朝、お礼を言って宿を出ようとしたら、ご主人が「土浦藩の事で調査に来られたのですか」と云われた。「え?」と聞き返すと、「此所は、土浦藩の飛地だったんです」と云われる。半信半疑の私に、A判サイズの冊子「みさき風土記」を持って来て見せてくれ ました。確かに、徳川時代は土浦藩の飛地で、ここ淡輪に土浦藩の陣屋があった等の詳しい記述がありました。思いがけない宿で思いがけない事を知らされる。こう言う事を、単なる偶然と思うか、何かのご縁と感ずるか。私は、勿論、後者です。